好きなことだけして生きてみることにした 第5回

無事、「起業家セミナー」の申し込みが受理されて、後は二ヵ月後のセミナーを待つだけとなったのだが、だからといってただ待っているだけでは時間の無駄だ。

この時期、私が漠然と考えていた「起業スケジュール」は、今年2015年中には今の会社を退職して、来年早々には新しい事業を開始したいというものだった。それを実現させるためには自分でもどんどん動いていかないといけない。
まぁ、それは客観的にはわかっていても、では実際に何をやるかという現実的な話に落とし込むのはなかなかに難しいものだ。

私の場合、まず新しい事業としてどんなサービスを作るか──という具体的な目標を作る必要がある。

これについては、ちょっと考えているものがあった。私には「小説を書く」という趣味があって、この趣味のためのサービスを何か作れないものだろうかと常々思っていた。

──というのも、私の書きたい小説はいわゆる歴史モノと云われるジャンルで、とにかく登場人物が多いのが特長だ。この多数の登場人物の行動を管理するために、エクセルシートに独自の行動履歴表を作っていたりしていたのだが、この管理作業が煩雑で、検索もしづらいし、扱いづらいことこの上なかった。
これを、もっと見やすく、扱いやすく、さらにはWEBからならどこからでもアクセスできるようにできれば、自分の創作活動はもっと効率化できるのではないか──と思ったのだ。

まずは「自分のために

私の持論になるが、この路線でないと、おそらく何かを生み出す時のモチベーションが続かないのではないかと思う。特に私にとってはそうだ。

この方向性が正しいのかはよくわからないが…。

世の中の通例として、サービス作る時は、そのサービスを欲しがっているターゲット層や、こういうサービスならこんな顧客に使ってもらえるのでは…というマーケティング的な戦略が必要だ。実際、この後のセミナーで事業計画を作成する時には、その要素が必要不可欠になってくる。

でも、初めから他人のためにサービスを考えて、それを作り続けて行くモチベーションを維持するのは並大抵のことではない。さらに、サービスを創り切った時に、そのサービスが世の中に受け入れられなかった場合、その落胆は計り知れない。失敗を受け入れて撤退や軌道修正をすんなり図れる人はそうそう多くないと思うのだ。

私にはそんなような崇高なサービス開発は到底できそうもない。そのやるなら「自分のため」にやるのが一番だ。これなら、まずターゲットが自分なので、自分が納得するために開発モチベーションを維持できる。そして、創り切ったサービスが世の中に受け入れられなかったとしても、自分だけは自己満足できる。

まぁ、どちらの路線で開発しても、結果的に失敗すれば、マスターベーション的なサービスを作って時間を浪費したことになるのだが、少なくても自己満足を得られる「自分のために」系路線であれば、自分的には救いがあるし、また再起できそうな感じもするのだ。

そして、一番忘れてならないのは今回の起業の大目的である「好きなことだけして生きて行く」というスローガンである。

自分の欲望や野心をおし殺してまで、他人のためにサービスを作ることが果たして私がやりたい「好きなこと」になるのか?

──そう考えた時、私的には「否」だった。自分のために自分が欲しいと思うものをまず作る。これがビジネスになるかならないかは別次元で考えて行くことにする。そう、二ヵ月後の起業家セミナーでその辺をことを学びつつ、自分の方向性の現実路線での補完を行えば良いのだ。

思っていたより悩みもせず、作るべきサービスが見えたのは幸いだった。あとは、早速そのサービスの開発要件をまとめて、システム設計を進めて行くだけだ。この辺はもう長年やって来ているので、お手の物だ……と思っていたら、足元をすくわれることになった。