「デッドプール」はかなり革新的なアメコミ映画だった

ちょうどMARVELの新作「デッドプール」の公開初日とファーストデイ割引日が重なったので、観て来た。

感想としては、かなり楽しい映画だった。

アメコミ・ヒーロー映画では異色のR15指定だったのと、原作のデッドプールのキャラクター的にもかなりキワモノな映画になっているのかと思っていたが、意外にしっかりしたストーリーで、アクションも見応えがあった。

コメディ+ヒーロー・アクションという奇妙なジャンルの映画で、こういうタイプの映画はジャッキー・チェン系の映画以外では今まであまり見かけたことがなかった。特に、デッドプールの特殊スキルである『劇中に観ている観客に対して話しかける』という演出が何気に違和感がなく絶妙で、とても革新的というか挑戦的な映像だった
監督は新人のティム・ミラーという人だったのだが、本編出だしの演出やストーリー構成は斬新かつ秀逸で、こういう人こそが奇才と呼ばれるのかも知れない──と思った。

この映画、私的にはかなり満足できた内容だったのだが、観る人によって好き嫌いがハッキリ分かれそうな感じもする。

嫌厭される要素として、まず、結構グロいことだ。ヒーロー物ではあるが、タランティーノ作品並みにバイオレンス性が高いのだ。戦闘シーンでは、普通に首が飛ぶし、体が潰れ、脳しょうが飛び散る。主人公も人を殺すことに躊躇しないし、逃げるためには自分の腕も切り落とす有様だ。
まぁ、デッドプールというキャラクター自体が「ヒーローではないし、ヒーローなんかになりたくない」という信念の人なうえ、デッドプール自体の戦闘能力は他のX-MENのように超能力を持っているわけではなく、ほぼ一般人と同じように剣とか銃を使うスタイルなので、必然的に戦闘はリアルで生々しいことになる。とはいえ、他のアメコミ・ヒーロー物を見慣れている人にとっては、本作でのデッドプールの戦闘シーンのクレイジーな殺戮っぷりには衝撃が大きいかもしれない。

そして、もう一つの嫌厭されかねない要素は、お下劣さだ。映像としてのエロさはあまりないのだが、デッドプールやその取り巻き達の下ネタしか言わないお下劣な会話に耐性がない人は辟易してしまうかもしれない。ただ、デッドプールの演出的にこのお下劣な会話がないと世界観が構築できないのも事実だ。ここは、デッドプール・ワールドとはこういうものだ──と思って観てもらうしかないのかも…。
全体のストーリー構成としてはロマンチックな内容でもあるのだが、恋人同士でこの映画を観るのはあまりオススメしない。観終わった後に映画の話をするのが気まずくなる可能性があるかもしれないので(笑)

──と、ネガティブ要素もあるものの、本国アメリカでは大ヒットしている。アメリカでは今年の2月5日に公開されていて、なんとオープニング興行収入で1億3,243万4,639ドルと20世紀フォックス史上最高を達成したとのことだ。日本円で150億円超えだ。R指定作品でここまでヒットした映画は私も聞いたことがない。まさに、大人が観るべきエンターテインメント作品と云えそうだ。

蛇足になるが、この映画には結構笑える自虐ネタが多くて、個人的にネタがわかるとニヤニヤできるシーンが多い。

例えば、本作にはX-MENからコロッサスとネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドが登場しているが、デッドプールが彼らに助力を求めるために「恵まれし子らの学園」に行った時「この家には二人しかいないのか~?」と制作側の都合を話したり、デッドプール自身が癌治療のために寝台で運ばれている時に、「もう緑色の着ぐるみは着ないぞ~」(これは、過去にデッドプール役のライアン・レイノルズが「グリーン・ランタン」で興行失敗したことをパロディにしているのだろう)とかニヤリと笑えるセリフが至るところに散りばめられている。

なお、MARVEL映画には恒例になっているエンド・クレジット後の映像。本作でももちろんそのポスト・クレジットがあるので、最後まで席を立ってはいけない。そこでは、何気にデッドプールが驚愕の重大発表をしているのだ。これは是非、映画館で確かめてみて欲しい。

今年はアメコミ・ムービーの当たり年──というのは以前「バットマンvsスーパーマン」の記事で書いたが、今のところ、駄作ではないが期待外れだった「シビル・ウォー」を含めても、良い映画を観て来れているという感じだ。

現時点の私の評価として、今年のアメコミ・ムービーのオススメランキングは、1位「バットマンvsスーパーマン」、2位「デッドプール」、次点「シビル・ウォー」というところだ。次は8月6日に「X-MEN アポカリプス」が公開だ…! それまで2ヶ月程はアメコミ・ムービーの新作はないんだが、気になっているSF大作「インデペンデンス・デイ – リサージェンス」が控えている。今年は、ほぼ毎月のように私好みの映画が公開されて、まさに豊作の年である…。

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