責難は成事にあらず

華胥の幽夢
華胥の幽夢-十二国記-小野不由美@www.amazon.co.jp

最近、嫁さんに薦められて「十二国記」シリーズを読んでいたのだが、現在最新刊となっている『華胥(かしょ)の幽夢(ゆめ)』を読んで胸を突かれた。

そのフレーズが本題の「責難は成事にあらず」だ。

この言葉は『華胥の幽夢』の巻中「華胥」の章で登場する言葉で、国を傾けた国王・砥尚(ししょう)が自ら位を退く時に残した遺言である。
「誰かを責めたり、何かを非難することだけでは、何も成すことができない」という意味なのだが、今の自分もそんな状況になっているのではないか…と思い当たった。

──と言うのも、ここ数年つとに会社に対して不満が募って来ていて、今年に入ってからはとんと会社の仕事に対してモチベーションが出なくなってしまい、事あるごとに「会社のここがダメだ」「この体制じゃダメだ」「あいつは何もわかっていない」と愚痴と非難とを前面に出している自分がいる。それが、正道を失って国を傾けている十二国記の砥尚(ししょう)に被って見えた。
私も、確かに不平不満や非難ばかりを口にしてるが、具体的な改善案を提示していないなぁ…と。
こうしたい、ああしたい、こうなればもっと良い会社になるだろうなぁ…という希望や理想もあるけど、どうせ今の会社じゃできはしないだろうという諦めが先に立ってしまうのだ。
私自身、会社ではマネジメント層に属しているし、社長や上司にも社内の先頭に立ってリーダーシップを発揮してもらいたいとかありがたい言葉も言われているんだが、なぜかどうも気力が出ないんだわ…。

なぜだろう?

私は今の会社に入って今年で11年目になる。創立から12、3年の会社なので、かなりの古参社員だ。私より社歴の古いメンバーはもう数人しかいないし、社長を含め現在の経営層にも古いメンバーはほとんどいなくなってしまった。仕事の内容も入社した時から比べるとかなり様変わりしてしまって、かつては明確だった会社の方向性は失われて久しく、最近は会社がいったい何をしたいのかがさっぱりわからない状態だ。
この会社方針の無軌道さが、私のモチベーションを低下させているのは確かだろうな。

会社は利益を上げなければならないものだ。利益を上げて事業を継続させ、雇用者に生活の糧を与えるのが会社の使命だと思う。
でも、今の私の会社は違う…ように見える。
上層の経営層が見ている視点は違うのかも知れないが、下層のマネジメント層の私が垣間見るのは、利益の上がらない事業を継続させ、失敗する可能性が極めて高い新規事業に投資し、開発者は冒険を好まない。こんな環境で、誰かが孤軍奮闘しても実を結ぶものか…やはり、やる気が出てこない。

おそらく、今年は私にとって節目の年になるだろうな。

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